精神分析
精神分析は、自分の日記から過去を探り、過去の自分と対峙して問題を
克服する方法です。
ユダヤ系ドイツ人のジークムント・フロイトが考案したやり方で、彼自身、
自分の過去と向き合うことで、自身の抱えていた広場恐怖症(大衆の中に
いることが怖いという恐怖症)を克服したと言います。
人の心の奥底には無数の記憶が眠っています。
その記憶を、執拗に応じて呼び出しているのですが、思い出すきっかけの
ないこと、あるいは二度と思い出したくない幼少期の思い出などは、とっさに
思い出せないものです。
しかし、現実に起こっていることだけが全てではなく、過去を探って記憶を
呼び覚ますその中に、精神的病の根源があるという前提で、毎日日記をつけて、
自己発見を繰り返していきます。
その過程で、過去の思い出と向き合い、克服していくのです。
この方法には地道さを要し、短期間で成果が出るものではありません。
また、過去のつらい体験を思い出し、直面するということは並大抵のこと
ではありません。
ともすれば、自分の人格が崩壊しそうなくらいの苦しみを味わうことにも
なります。
そのようなことを最小限に抑えるために、一人で勝手にやるのではなく、
きちんと専門医の指導の下で行っていくことが原則です。
そして、薬に頼ることなく、自分から逃げずに対峙していった経験で強くなり、
二度と同じような症状に悩まされないような精神を作り出すことができるのです。