不安定なアイデンティティによるもの
私たちはハーフの人を見ると、つい「ハーフなんだ、カッコイイ!」と
言ってしまうことがあります。
しかし、親の国籍が違うことは、時にはその子供には大きな精神的負担と
なるのをご存知でしょうか?
例えば、私たちは日本人です。
特に意識しなくても、日本という社会に属し、日本の法律に守られ、
日本語で会話をします。
大抵の日本人は、黒髪に茶色の瞳ですから、単一民族社会では国の識別意識が
とても大きいと思います。
しかし、親の国籍が違ったら、目の色や肌の色が違ってきます。
この為、周りからは、
「あの子日本人じゃなさそう・・・」
「何であの子日本語話しているの?」
と、外見を見ただけで色々と不思議がられるのです。
目立たないようにしたくても、周りが気づいてしまうというハンディー
キャップがありますよね。
そういう子供たちは、親が別々の言語で話しかけてくることもしばしば
ですから、そうなると、母国語がどの言葉なのかもわからなくなります。
また、両親の母国語が違うと、子供は両方の言語を習得するを強いられ、
頭が混乱し、言語発達が遅れるということも実際にあるそうです。
このように、「自分がどの国の人間なのか?」ということは、私たちが
想像する以上に大切なことです。
混血の方たちは、一度はアイデンティティの壁にぶつかると聞くので、
私たちは「集団帰属意識」によって、どれだけ守られているか、
それがどれだけ有難いことか、考え直してみてもいいかと思います。