認知療法
認知療法とは、精神疾患の方なら誰もが経験する、カウンセラーとの対話が
メインになる治療法のことです。
人の思考は、大まかには母国語で形成されているようで実はとても抽象的な
ものです。
自分の気持ちをうまく言葉で表せないなどという経験は誰にでもあると
思いますが、精神疾患を患うと、何事も自分自身で抱え込む傾向にあるので、
表現しがたい抽象的なイメージを頭の中で、より沢山抱え込んでしまいます。
そういう心の中の抽象的な「もやもや」を、言葉に直していくことで、
自分の気持ちを整理したり、憂鬱な気持ちになっている理由を探ったりして
いくのです。
勿論これは自問自答ではなく、きちんとした対話のもとで成り立っていく
ことなので、必ず精神科医、もしくはカウンセラーなどの対話相手がいます。
対話相手になる人は、患者の全てを受け止める訓練をしている人たちなので、
重たい話をぶつけていっても問題はありませし、きちんと自分の深層心理を
「認知」することを助けてくれます。
私たちは悪いことが起きると、頭の中では実際よりも何倍も深刻な状況で
思い描いて記憶することがあります。
心の中で、そうして物事を誇張して歪めてしまったことを掘り起こし、
自分を客観視していく過程で、悩みの軽減させていくのです。