SSRIとSNRI
皆さんは「SSRI」と「SNRI」という言葉をご存知でしょうか?
これらの言葉は精神疾患患者に対して処方される薬の総称で
「新薬、次世代抗うつ薬」とも呼ばれています。
SSRIは、「選択的セロトニン再取り込み阻害薬」と訳され、
SNRIは「セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬」と訳されます。
両方とも、脳内神経伝達の過程でセロトニンとノルアドレナリンが
脳内構造の中で間違った場所(シナプスと呼ばれる所)に取り込まれる
ことを防ぐ働きをします。
このことで脳内の向精神物質の濃度を高めるのです。
ちょっと難しい話になってきましたが、単純に、脳内の向精神物質の濃度を
高める薬だと考えていいでしょう。
これら次世代薬物の特徴は、目的のみ達成するシンプルな構造になって
いるため、副作用が少ないことがあります。
薬物の構造を、目的のところのみを抜粋してあとは切り捨てた、といった方が
わかりやすいでしょうか?
現在日本で認可されているSSRIは、認可された順に、デプロメール、パキシル、
ジェイゾロフトの3種類で、SNRIは、トレドミンという1種類のみです。
SSRIとSNRIは、安全性の高い薬として日本でも一気に普及しましたが、
脳内でセロトニンの量が増えすぎる「セロトニン症候群」という副作用が
起きることもわかってきました。
この副作用では、最悪な場合、死に至る可能性があるので十分注意して
処方通りに服用しましょう。