行動療法
行動療法とは、生活の弊害のある習慣や行動パターンを直していく方法です。
例えば、歯磨きを最低10回やらないと気が済まない人は、その回数を1回に
減らす訓練をします。
電気をつけっぱなしで外出したのではないか?という不安のある人は、
とにかく家に戻ることを我慢します。
そのようにして訓練を積むことで、(そんなに不安になる必要はないんだな)
という確認ができるようになり、不安感も消えていきます。
勿論、いきなり何事にも不安を持つな、と言われると精神的苦痛が積み重なり、
いわゆる「禁断症状」と呼ばれる症状に等しい症状で悩むことにもなりますから、
段階的に実行に移していきます。
最初は自分が1回しか歯磨きをしない状態を思い浮かべ、いい方向にイメージ
できるように訓練し、その過程で筋肉を緩めることも心がけます。
それから、歯磨き回数を減らしていくという段階を踏むのです。
行動療法が効果を発揮する理由は、皆さんが、かつては不安感で生活が困難に
なることがなかったはずだからです。
何かの経験がきっかけで不安を持つようになることが通常は多いですから、
逆に「自分は大丈夫だ」という訓練をすれば、人間の本来持つ学習能力を
発揮して、不安がなくなっていくのです。
また、認知療法と併せて行う場合も多いので、広くは「認知行動療法」とも
言われていて、比較的どの患者でも実行しやすい治療法になっています。